全然寝付きいいし朝までグッスリだもん
私もこんな事思った時期がありました。
しかし、カフェインに関する情報を調べてみると、やはりカフェインが睡眠に妨げに深く関係していることが証明されています。
という疑問が湧いてくると思うので、今回はその辺についてお伝えしたいと思います。
より良い睡眠のためのヒントがほしい。
カフェイン摂取しても眠れますけど何か?
こんな想いってカフェイン大好きな人たちの中に意外にあったりすると思います。
私もその1人だったのですが、睡眠に関する勉強をしていくうちに実は眠れていると思っていても体は休息していないという事実に気づきました。
意識がない=眠れている?
眠っている時は意識がないですよね?
それをもって眠っているとしたら確かに眠れています。
しかし、身体の方はどうでしょうか?
疲労回復するための修復作業はされてるんでしょうか?
答えはノーのようです。
実はカフェインを摂取してすぐに眠れたとしても、カフェインがアデノシン三リン酸(ATP)の代謝物であるアデノシンの作用を阻害してしまってノンレム睡眠の深いところ(N3, N4)までいきにくいんですね。
細かいところは割愛しますが、脳内で分泌されるアデノシンが睡眠を誘発する物質なのですが、カフェインはその働きを妨げてしまうんです。
要は、
- 意識はないので眠れていると思っているが、深い睡眠に至っていないため体は休まっていない
この状態です。
では何時にカフェインを摂取する事で睡眠を妨害するのかを見ていきましょう。
何時にカフェインを摂取したのか問題
カフェインが体に入ってどれくらいで排出されるかご存知ですか?
いろんなデータがありますが、見たところだいたい4時間程度で排出されるようですね。
私が受けた睡眠指導士の講習でもそう言ってしました。
なので、寝る直前なんかにカフェインを取っている人に関しては先ほど言ったように実は睡眠の質としてはかなり低空飛行している可能性があるわけです。
逆にそれ以前の時間帯であれば効果は弱まっていくでしょう。
それと、カフェインの摂取時間と同時にカフェインの摂取量問題だってあるはずです。
カフェインの摂取量問題
カフェインに代表される飲み物としてコーヒーは有名ですが、お茶にもカフェインが含まれていることは知っている人は知ってますよね?
しかし、そのお茶の中でも種類によってカフェインの含有量にかなりの違いがあるのはご存じない方も多いと思います。
コーヒーも含めて下に飲料別のカフェイン含有量を示してみました。
種類 | カフェイン含有量(100gあたり) |
玉露茶 | 160mg |
メガシャキ | 100mg |
コーヒー | 60mg |
リポビタンD | 50mg |
紅茶 | 30mg |
ウーロン茶、煎茶、ほうじ茶 | 20mg |
玄米茶 | 10mg |
そうなんです。
よくコンビニや高速道路のSAで売っているメガシャキですが、なんと玉露はそのメガシャキよりもカフェイン含有量がはるかに高いです。
しかし、これは100gに対する含有量なので、寝る前にコーヒーを一口飲んだ場合と、大量に玄米茶を飲んだ場合とでは当然体内に取り込むカフェインの量は玄米茶の方が多いはずなので、摂取する量によって眠れる眠れないが関係するのは当然のことだと思います。
で、結局カフェインを摂取して眠れないというのは嘘なんでしょうか?
カフェインで眠れないのは嘘?
嘘でもあるし、本当でもあるという結論でしょうね。
前提条件をどうするかによって解釈が変わってくると思います。
目をつむって意識がない状態を眠れているとするのであれば体が休まっていなくても眠れていますし、
身体が休まっているという事も含めて眠れているとするのであっても、カフェインを含んだ飲料をごく少量飲む程度であれば睡眠の質に対する影響はごくわずかなので眠れていると言えます。
まぁ確かにそうですね。
カフェインを分解するスピードも効果の影響も人によって違うので、結局あなたに合った摂取方法となるんですが、一般的なカフェイン摂取時間と量は次にお伝えするとおりです。
いつまでに摂取するのかがキモ
これは最初の方でお伝えした通り、一般的にカフェインは4時間程度は効果が持続するので、夜にカフェインを摂取するのは避けるようにした方がいいですね。
逆に朝しっかり目覚めるための朝食時や昼の一番眠くなる14時~16時の間にカフェインを摂取するのがいいかもしれませんね。
カフェインの量は少ない方がいい
次にカフェインの量ですが、玉露よりもコーヒーを飲みたいという人の方が圧倒的に多いと思うので、カフェインの含有量を知った今、あえて玉露を夜に飲もうとする人は少ないと思います。
どうしてもコーヒーを飲みたいのであれば飲んでもいいですが、今まで睡眠の事を気にせず飲んでいた量の半分にしてみるというのを数日続けてみることで目覚めの変化を自覚するといいでしょうね。
最近ではデカフェというものもあるので夜だけはそれで我慢してみるというのをやってみてください。
大事なのは数日続けるという事です。
1日では変化が分かりにくいので1週間くらい続けてみるといいと思います。
眠れないのはカフェインだけが原因ではない
ここまでは睡眠におけるカフェインの影響についてお話ししてきましたが、カフェインさえ抜けば睡眠の質が上がるわけではありません。
眠れない毎日を解消するにはそれ以外の睡眠に関するメカニズムを知っておく必要があるんですね。
身体が眠くなる要因には大きく2つあります。
要因1.疲れたから寝る
そんな事よく言うと思います。
ごく自然な事ですが、これは体の中の恒常性維持機構というものが働いてそうなります。
恒常性維持機構はよく砂時計に例えられますが、疲れである砂が下に溜まると疲れMAX&眠気MAXというわけです。
この時に例えられる砂は脳内で分泌されるアデノシンという物質です。
これが溜まって疲れるよる眠気が出てくるんですが、カフェインはそのアデノシンの効果を阻害してしまうんです。
そして眠気を左右する要因のもう一つに体内時計があります。
要因2.夜になったから寝る
体内時計という言葉はよく聞くと思います。
日が昇ると目が覚めて日が沈むと眠くなるという体内のリズムですね。
これにはメラトニンという物質が大きく関係します。
メラトニンは夜になったら分泌されると言われがちですが、実はセロトニンの分泌時間が影響しているようです。
朝、目覚めた時に太陽の光を浴びることでセロトニンが分泌されますが、その約16時間後に睡眠物質であるメラトニンが分泌されるので、大事なのは寝たい時間の約16時間前に太陽の光を15分ほど浴びる事なんです。
夜10時に寝たいのであれば、朝6時に太陽の光を浴びるという感じですね。
以上、2つの要因をうまく利用してより良い睡眠にもっていくわけです。
より良い入眠のための寝具
これは体内の睡眠メカニズムとは違いますが、うまく睡眠導入するための手助けのために必要なツールでもあります。
マットレスや枕なんかは睡眠導入のしやすさや睡眠の質に大きく関係してくる部分でもあるので自分の体に合ったマットレスや枕の選定はそれはそれで重要なんですね。
とにかく質のいい睡眠というのは複合的に行っていかないといけないので、カフェインだけ抜けばいいというものでもありませんし、生活のリズムを整えさえすればいいというものでもありません。
極端ですが、どれだけ眠くてもコンクリートの上で枕なしの状態で眠れますか?
眠れたとしても朝までグッスリ、翌日スッキリなんてことはまずないでしょう。
なので寝具も自分に合ったものを用意する必要があります。
マットレスは安い買い物ではありませんが、今ではお試し期間が用意されていて返品する際の送料も無料だったりするメーカーがいくつもあります。
気になる方は以下の記事もご覧ください。
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まとめ
いかがでしたか?
カフェインで眠れないは嘘?に始まり、睡眠のメカニズムにまで掘り下げた今回のお話。
お伝えしたかったのは、カフェインが質の良い眠りを妨げる物質であることは紛れもない事実ですが、カフェインだけが不眠の原因になるとは言えないという事です。
ここでまとめてみましょう。
一般的に
- カフェインの摂取時間は就寝4時間前までに済ませる
- どうしても飲みたい時はカフェインの含有量を確認して少量にしておく
- 眠りのメカニズムは恒常性維持機構と体内時計の大きく2つで構成される
- 恒常性維持機構(疲れたから寝る)の役割をするアデノシンの効果を阻害する
- 体内時計を利用して眠気を得るには、眠りたい時間の約16時間前に太陽の光を浴びる
ここまで知っていれば、あとは行動を起こすだけです。
まずは1週間ほど続ければ何かしら体の変化を感じられると思いますので、是非清々しい朝を体感してみてください。