犬の膀胱結石の手術を受ける人へ!これを見れば全体像が分かります

  • 2020年11月7日

膀胱結石には石の種類によって食事で溶けるものもあり、手術が必ずしも適用という訳ではありません。

しかしいろんな治療をしても結石が全て溶けない場合や逆に大きくなってしまった場合には、どうにか治してあげたいと手術を考えると思います。

膀胱結石の手術はどんなものがあるのでしょうか?内容や気になるところをまとめてみました。

犬の膀胱結石の手術方法には何があるの?

膀胱にある結石を取り除く手術はいくつかあります。

どの手術も麻酔下の手術になるので、麻酔に耐えられる体であるかどうかなどの手術前の血液検査などは必ず必要になります。またレントゲン検査や超音波検査をすることによって、結石の数や位置を確認することができます。

この情報をもとに手術を行うことが基本になります。

膀胱切開手術

最も一般的にしているのは、開腹して膀胱を切開し結石を摘出する膀胱切開手術です。

やり方はまず、結石が膀胱から尿道にかけて残っている場合があるので、尿道からカテーテルでフラッシュ(生理食塩水を勢いよく入れること)して、膀胱まで押し戻します。

その後、開腹して膀胱を切開し結石を取り出していきます。石を取り除いたら、細かい石が残っている場合が多いので、よく洗浄をくり返し、それから膀胱を縫合して元に戻していく手順です。

この手術で大切なのは石を取り除くためによく洗浄することです。フラッシュの時と同じ生理食塩水をたくさん使い綺麗にして、膀胱も縫合する時はしっかり尿が漏れないように気をつけなくてはなりません。

手術後も少しの間は膀胱の炎症などで血尿が出ますが次第に止まり、まとまった正常な尿になります。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは、膀胱の中に直接カメラを入れて、鉗子や吸引で結石を取り除く方法です。

膀胱切開手術の場合はお腹を大きく開ける必要がありますが、腹腔鏡手術の傷口はお腹に約5ミリの傷を2~3つ開けるだけです。

大きな結石は鉗子を使って取り除くことができますが、小さい細々とした結石は吸引管で吸引して除去します。

この方法は掃除機でホコリを吸い込むような感じなので、膀胱粘膜を傷つけることなく結石を取り出せて痛みが少なく、傷口が小さく済むのと、肉眼では見にくい小さな石も拡大して探すことができます。

またカメラで拡大したり、鮮明な画像を見ることができるので、膀胱内の異常がないかを確認したりすることも可能です。

腹腔鏡手術は動物への負担が軽減される安全な手術になっています。

結石破砕手術

最近ではまだ少ないですが、結石破砕手術を取り入れている動物病院もあります。

尿道からカテーテルを入れて、そこから電気水圧による衝撃波を直接結石にあてて破砕する方法です。

破砕された結石は体外に排出される仕組みになっています。人間では胆石を除去する時などに一般的な方法で用いられていますが、それが動物でも使われるようになってきました。

情報はまだあまり知られてはいませんが、体にメスを入れずに手術ができるのならば、この方法を取り入れる病院が増えてほしいですね。

犬の膀胱結石の手術・入院期間はどれぐらい?

膀胱切開手術の場合

お腹を大きく開けて手術するため結石の量にもよりますが、手術時間はだいたい1時間~2時間です。

大きい結石が数個の場合はそれを取り除けばいいだけなのですが、細かい結石がある場合はかき集めないといけないので、除去するのも時間がかかります。

手術後は膀胱を切開して縫ったところに尿が溜まることにより破裂しないように、尿道カテーテルを2~3日留置して尿を見る必要があり、そのカテーテルを取り除いて自力で排尿できるまで3日程入院します。

また開腹をしているので、お腹を縫った糸は2週間程で抜糸です。

縫ったところを舐めたり糸を噛みちぎったりしないように、エリザベスカラーや保護服をつける必要があります。

腹腔鏡手術の場合

手術の時間は結石の多さなどにもよりますが、だいたい1時間程です。

手術の傷も小さいので術後の回復もとても早いのですが、入院中は自力でスムーズに排尿できるかどうかを確認する必要があるので日帰りというのは難しく、入院期間は通常1日ほどです。

また短い期間で抜糸を行うこともできるので、エリザベスカラーや保護服をつけるストレスも軽減されます。

犬の膀胱結石の手術の難易度はどうなの?

膀胱切開手術はよく動物病院で一般的に行われているので、手術自体は珍しくもありませんし、難易度も高くはないです。

ただどの手術でも同じですが、麻酔をかけての手術で去勢避妊手術よりは手術時間も長いので、高齢犬などはリスクがあると思います。またお腹を開ける手術なので、痛みはあると思います。

個体差があるので入院中は全く動かずじっとしている子もいれば、すぐ元気にご飯を食べる子もいるので様々です。

腹腔鏡手術の場合は、この手術法は熟練した技術が必要になり習熟には時間がかかると言われているので、この手術を実施している動物病院はあまり多くはないです。

手術実績のある病院であれば難易度は高くないですが、あまり実績のない場合では難易度は高いかもしれません。

犬の膀胱結石の手術費用はいくらかかるの?

動物病院や手術内容にもよりますが、10~20万円ぐらいかかると思います。

その中には、麻酔や手術費用はもちろん、手術前の検査や手術後の検査、抗生物質などの薬や、入院費用も含まれています。また手術で取り出した膀胱結石を病理センターに出し、詳しく尿石解析してもらうことも費用に入っています。

また腹腔鏡手術の方は新しいやり方なので機材なども高度なものになり、体に負担がかかりにくいメリットもある分、開腹手術に比べるとコストがかかる場合があります。

病院によって手術費用などは違いますので、手術を決断する前に聞いてみることもオススメします。

また手術が終わり退院しても、通院は必要になります。

家に帰ってからも尿が正常に出ているかなどを確認したり、定期的な尿検査や超音波検査はしなくてはなりません。

また膀胱結石を摘出した後も療法食は続け、膀胱結石が再発しないように手術後も適切な予防をしていきましょう。

まとめ

愛犬が膀胱結石の手術をするとなると、いろんな問題や考えることが出てくると思います。

手術をする前に、少しでも理解してもらえたらと思います。