会社から帰ってきて、ご飯を食べてお風呂に入ると23時。
そこからやっと自分の時間だけど、スマホをさわっていたら24時を過ぎている。
翌朝は、まったく頭が働かず、仕事でミスをしてしまった。
こんな経験はありませんか?
そんなとき、短時間の睡眠で起きる時間を長くし、なおかつ集中して毎日の生産性を上げることができるショートスリーパーだったらいいのにと感じてしまいます。
しかし、ショートスリーパーは努力によってなれるものではなく、遺伝で決まります。
この記事では、ショートスリーパーと遺伝の関係をわかりやすくお伝えします。
睡眠の理解を深めて、自分にとって1番良い睡眠方法を実践しましょう。
ショートスリーパーとは
全人口の1%未満といわれるショートスリーパー。
「四捨五入すると0%」と言う医者もいます。
アメリカの研究によると、ショートスリーパーは10万人に4人の確率でしか存在しないと言われており、とても稀な存在だということがわかります。
普段6時間ほどしか寝ていないあなたは、
「もしかすると、僕はショートスリーパーかもしれない。」
こう思うかもしれません。
ですが、残念ながらショートスリーパーである可能性は、とても低いのです。
では、ショートスリーパーとはそもそもどんな人なのか。
簡単にいうと、短い睡眠時間でも、日中に眠くならず長時間活動的でいられる人です。
多くの人は朝ベッドから起き上がるのに苦労するはず。
アラームを何度もスヌーズにしたり、目覚まし時計がなければ起き上がれなかったりする人もいるのではないでしょうか?
しかし、ショートスリーパーの人は、そういったこともなくスッと起き上がることができます。
睡眠時間は5~6時間未満でも活動的
「ショートスリーパーは、何時間眠る」
このような明確な定義がありません。
ですが、一般的にショートスリーパーの人は、睡眠時間が毎日5~6時間未満であると言われています。
5~6時間と聞くと、「僕もあてはまってない?」と感じるかもしれませんが、先程の特徴にあるように、しっかりと睡眠をとった通常の人と比較しても同じように頭が働いている人はほとんどいません。
また、この睡眠時間は、1日トータルの睡眠時間です。
仕事の会議中につい寝てしまうことや、日中の昼寝の時間も含みます。
毎日5~6時間睡眠を継続することは、通常の人にとってはかなり困難です。
ショートスリーパーではない人が、このような生活を続けると、健康被害を招きます。
ショートスリーパーは遺伝によって決まる
アメリカのカリフォルニア大学の研究で、遺伝子とショートスリーパーに関係があることがわかりました。
「ADRB1」という遺伝子が突然変異を起こすことでショートスリーパーになれるようです。
この遺伝子を持っていると、しっかり睡眠をとった通常の人と比べても、日中でも頭がしっかり働き、元気に活動できるとのこと。
しかし、逆をいうとこの遺伝子を持って生まれてこなかった場合、あなたがショートスリーパーである可能性は限りなくゼロに等しいです。
マウスによる研究でも睡眠時間が平均約1時間短いことがわかった
マウスでも、この遺伝子の実験を行ったようです。
マウスは普段、1日の2/3以上の時間を眠って過ごします。
ですが、「ADRB1」が突然変異を起こしたマウスは、睡眠時間が約1時間短くなり、活動的に動き回る時間が増えたようです。
このように、マウスでも人間と同じように睡眠時間が短くなっても、活動的になれることが分かりました。
遺伝子の形状は常染色体優性遺伝で、4つの特徴がある
この「ADRB1」という遺伝子は、常染色体優性遺伝と呼ばれており、次の4つの特徴があります。
- 50%の確率で遺伝する
- 性別は関係ない
- 多くの世代が羅患する
- 突然変異する可能性がある
遺伝する可能性は50%と非常に高く、男女関係なく同じ確率で遺伝することから、親にショートスリーパーの特徴があれば、あなたもショートスリーパーである可能性が高いです。
それを確かめるには、両親にショートスリーパーの特徴が当てはまるか、聞いてみればわかります。
ショートスリーパーの特徴
ショートスリーパーの人は、毎日5~6時間の睡眠を続けていても以下の特徴があります。
- 日中も頭がスッキリしている
- 日中に眠気を感じない
- 健康に活動できている
- ずっと元気
親にこれらの特徴がない場合、ショートスリーパーになることは諦めて、自分に合った正しい睡眠方法を模索していく必要があります。
努力でショートスリーパーになることはできない
努力でどうにかショートスリーパーになりたいと考えている人は、残念ながらその夢は叶いません。
ショートスリーパーでなければ、あなたは次のどちらかに当てはまるはずです。
- バリアブルスリーパー
- ロングスリーパー
バリアブルスリーパーの割合は1番多く、80~90%以上の人がこのタイプとされています。
睡眠時間は、平均して6~9時間とほとんどの人にあてはまります。
続いて、ロングスリーパーは9時間以上眠る人です。
このタイプは、5~10%ほどいると言われています。
あなたに合わせたよりよい睡眠方法を実践しましょう
あなたがどのタイプであったとしても、睡眠には気を使う必要があります。
- 寝る2時間前にスマホやパソコンをみない
- 入浴は睡眠の1時間30分前までに済ませ、深部体温が下がったタイミングで眠りにつく
- 寝室にスマホを持ち込まない
- アロマオイルの匂いでリラックスして入眠する
- 心地よい音楽を聞いてリラックスする
これらを習慣にすることは、良い睡眠につながります。
まとめ
ショートスリーパーと遺伝について、解説しました。
ショートスリーパーとは、全人口の1%未満なので、あなたがショートスリーパーである可能性は限りなく低いです。
ショートスリーパーの特徴は、睡眠時間が5~6時間未満を毎日続けても、活動的で日中も眠くなりません。
遺伝子が突然変異することで、ショートスリーパーになります。
両親にショートスリーパーの特徴がない場合、あなたがショートスリーパーである可能性はかなり低いです。
努力でショートスリーパーにはなれません。
ショートスリーパーでなければ、バリアブルスリーパーかロングスリーパーのどちらかです。
あなたにとって1番の睡眠方法を試しましょう。